今日までの人生の重荷を
全て海岸に置き去って
道連れに誘った君の姿を
寒い冬の中で待ち侘びる

街が暗闇に溶けだして
漸く君はやって来た
余計な物は置いてこいと
ちゃんと僕は言わなかった?

誰の声もない砂浜で
凍えた身体を寄せ合った
地平線が赤く染まるまで
今年もこうしていられそうだ


パレット100題

冬の鍋

2016/12/30 Fri 12:15:01

白菜 椎茸 葱 人参
海老の出汁に薬味のおろし

湯気越しに顔を合わせながら
家族で同じ鍋を囲む
軽快に会話は弾み続け
箸の進みは止まらない

時折 覗くテレビの中でも
人々が1つの鍋をつつく
名前も知らない人達だけど
旨いを分け合った気がした


言葉

HOMETOWN

2016/12/29 Thu 12:14:01

寂れた地元の駅のホーム
6年ぶりの故郷の風景
居並ぶ商店も然程変わらず
既視感に気分は学生時代

少し大人びた懐かしさに
今年はどれだけ会えるだろう
幾らかの期待と土産を手に
見慣れた改札を通り過ぎた


言葉

沈む夕日

2016/12/28 Wed 12:12:02

カーテンの隙間から陽が零れて
山の稜線に目は奪われる

背中を暖めるオレンジ色が
心を労わってくれた気がした

年末の夕日を眺めるのも
此処では もう今日が最後

明日は朝日に照らされて
暖かい地元へ帰るのだろう


言葉

カフェの店員

2016/12/27 Tue 12:12:01

お疲れ様と笑顔を溢す
貴女も寒い中 お疲れ様

コーヒーを渡した冷たい手
早く温めてほしいと願った


言葉

黒豆ご飯

2016/12/26 Mon 12:09:01

お裾分けでいただいた
丹波の香ばしい黒豆達
塩と醤油と味醂を加えて
お米と一緒に炊き上げる

毎日 同じ物は飽きるけど
工夫を重ねて アレンジして
日々 変化させれば面白い

きっと この一手間が
食への感謝の儀式なんだ

出来合いに慣れた自分を叱咤して
まだ固い豆を指で摘んだ


言葉

スター・イエロー

2016/12/25 Sun 12:08:02

金銀 染まった松ぼっくり
赤青 包んだプレゼント
白い綿毛に橙のライトで
緑の大木が派手に光る

天辺を陣取る模造の星を
僕は黙って眺めている
あと少し視線を上に向ければ
本物の星が見られるだろう

ここに天井が無かったなら

作り物の黄色に飽きたらしい
僕の足は外へと歩き出した


パレット100題

乾杯マリアージュ

2016/12/24 Sat 12:08:01

聖夜に相応しい赤ワインには
洋菜たっぷりのビーフシチューを

フルーツが乗ったケーキには
泡の弾けるシャンパーニュを

フォークを片手に炬燵を囲む
これぞ 日本のクリスマス

美味しい時を共に過ごして
二人の未来を祝福しよう


言葉

祝日

2016/12/23 Fri 12:07:02

皆が待ちかねた休日の町は
真っ赤なサンタが勢ぞろい
聖夜の戦いを前にして
商店も燃え上がっている

まるで 今日というお休みが
明日の準備の為にあるみたいだ
異国の聖人の降誕よりも
祝うべき事がある筈なのに


言葉

ベリーの紅茶

2016/12/22 Thu 12:07:01

目の冴えるような赤紫
鼻をくすぐる甘い香り
指を温めるカップの熱
舌に絡む果実の色

凍える体を寄せ合って
皆で分ける紅茶の味
青くなった舌を笑えば
白い息が空に飛んだ


言葉

朝の恒例

2016/12/21 Wed 12:05:02

生暖かい布団の中で
間抜けな猫のように伸びをした

今日も冷たい部屋の空気で
体は寝ぼけたまんまだな

始業のベルには まだ早いし
もう少しのんびりしていよう

起きたら活発に動くものさ
そのほうが暖かいんだから


言葉

SURVIVE

2016/12/20 Tue 12:05:01

人は1人でも生きていける

ただ それは
群れで生きるよりも ずっと苛酷


言葉

足裏の幸せ

2016/12/19 Mon 12:02:01

旅先で買ったスリッパは
藺草の香る薄黄色

足裏の畳の感触に
ほっと一息 安堵する

洋の床で踊りながら
時折 和に恋したりして

明日も半端に生きていくの
それが幸せと信じたまま


言葉

レモンの皿

2016/12/18 Sun 12:01:01

雑貨屋で見つけた小さな皿は
白地にレモンとライムの模様

自分らしくないと思いながら
つい レジへと運んでしまった

食器なんてシンプルで良かったのに
これは あのカフェに入った所為だ

色とりどりの陶器の城に
憧れを抱いてしまったの

早速 新入りをディナーに招いた
少しは真似できただろうか


言葉

オブジェの小屋

2016/12/17 Sat 11:30:01

目に余る雑貨の山も
きらきらのクリスタルも
私の心を弾ませるけど
私の日常に必要ない

余所で眺めて楽しんだなら
もう それだけで満足なの
手に入れてしまえば どうせ
輝きを失くしてしまうから


言葉

高所の煙

2016/12/16 Fri 11:29:02

高い高い山を登って
見下ろす先は屋根の上

隣の5階建てのビルも
今は眼下に納まった

長い年月を経た山が
鉄の人工物を嗤うように

朝の靄にけぶる頂上で
僕も偉ぶってみせました


言葉

負けず嫌い

2016/12/15 Thu 11:29:01

負けるが勝ちと分かっていても
ついつい 勝とうとしてしまう

ああ 負けず嫌い 負けず嫌い
権利よりプライドを取るなんて
莫迦げていると知っていたのに


言葉

純白の、

2016/12/14 Wed 11:28:03

湯の花で濁る泉
雪を浴びた山の稜線

血管の透ける肌
下したてのフェイスタオル

吐く息も色づいて
目に映る物 すべて白

今夜は二人でみぞれ鍋
清い心で愛を語ろう


パレット100題

小料理店にて

2016/12/13 Tue 11:28:02

丘を登って町の上
和雑貨が並ぶ店の中

ふかふかの座布団と
炬燵を囲んで山菜飯

海で生きる者の胃に
山の滋味が小気味いい

空はすっかり冬模様
明日は何処へ出掛けよう


言葉

街のボス猫

2016/12/12 Mon 11:28:01

朝が送る陽を浴びて
庭の樹々が淡く光る

細い路地の真ん中で
猫は欠伸をかいている

そんな場所に腰を落ち着けて
自転車が来ても知らないぞ

ふてぶてしい顔と目が合った
どうやら余計な世話のようだ


言葉

complex

2016/12/11 Sun 11:24:02

複雑なものを簡潔に解すこと
それは1つの才能で

複雑なものを複雑に描くこと
それも1つの才能だ


言葉

猫の休日

2016/12/10 Sat 11:24:01

廊下の奥まで道は続いて
五線譜の上を肉球が踊る

床に散らばる足音を追って
暖かな場所へお邪魔します

いつだって 幸せの場所を
君達はよく知っている

汚れた床は大目に見るから
隣で眠るのを許してね


言葉

灰色ソクラテス

2016/12/09 Fri 11:23:01

君の考えが正しいと
本当に そう思うのかい

全く逆の考えも
正しそうだと思わないかい

僕が答えを知っている?
君には そう見えるのか

ならば 君は自分の無知に
不要な劣等を感じている

実のところ 答えなんて
僕も持ってはいないんだ

灰色の領域に引き込んで
僕は君を同志にしたい



パレット100題

勝負

2016/12/08 Thu 11:21:05

負かす事だけ考えていると
最後には勝てもしない

勝つ事だけを考えよう
それ以外は何も要らない


言葉

flower

2016/12/07 Wed 11:21:04

口に入れたばかりの種は
お茶で濁しても飲み込めない

ゆっくりと咀嚼をして
言葉が芽吹き出すのを待とう

花が咲いて 天に昇れば
このもどかしさも実になる筈

無理に噛み砕かなくていいよ
寂しさを舌で転がそう


言葉

スイーツ

2016/12/06 Tue 11:21:03

一度 開封したのなら
フレッシュなうちに食べ尽くして

中途半端に食べ散らかして
棚に放ってしまわないでね


言葉

加算

2016/12/05 Mon 11:21:02

重ねたミスの少なさより
成し遂げた作業の数

どうせ数えて生きるのなら
そちらを選ぶのが清々しい


言葉

遅い夕食

2016/12/04 Sun 11:21:01

待たせて悪いとは思っても
待っていてもらえれば嬉しいし
一緒に食べることは楽しい

明日はもっと早く帰るよ
美味しい肴を手土産に
君の待つ家へ急ごう


言葉

体験談

2016/12/03 Sat 11:18:02

君の思い出が美しいのは
君の瞳が清いからさ

きっと 同じ体験をしても
僕では綺麗に語れないだろう


言葉

くず野菜

2016/12/02 Fri 11:18:01

少し傷がついただけで
捨ててしまうのは勿体ない

君に出来る事は まだあるだろう
自分で自分を見切らないで
言葉
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